猛暑日が当たり前になった日本の夏。体育の授業やレジャーでもプールを利用して涼しい環境で運動をする機会も増えてきます。しかし、水中にいるからといって油断してはいけません。実はプールでも熱中症になるリスクがあることをご存じでしたか?
7月上旬ですでに猛暑が続く日本列島。以外に見落としがちな、プールでの熱中症のリスクについて解説し、予防策をご紹介します。
プールでの熱中症とは?
水中で泳いでいると、体温が急激に上昇することを意識しにくくなります。特に日差しが強く、気温が高い日のプールでは、体が思った以上に熱を溜め込むことがあります。熱中症は、体温調節機能がうまく働かなくなることで発生し、重症化すると命に関わることもあります。
日本スポーツ振興センターによると、2013年から2027年までの5年間に全国の小中学校で起きたプールでの熱中症は179件だったそう。そのうち、51%の92件は授業や部活動などの「水泳中」(水泳直後を含む)に発生し、60件(33%)はプールサイドで起きたという。
症状としては、「体育の授業中に、プールで25mをクロールで泳いだあと、脱力状態になった。」や「水泳の授業を見学していたが、日陰がなかったため気分が悪くなった。」などが報告されている様子。
水中で気づかないうちに汗をかき体温が上がることに加えて、直射日光を遮るものがなく高温になりやすいプールサイドで、説明や待機で長時間とどまると熱中症のリスクが高まると言われている。
熱中症の兆候と症状
プールでの熱中症は、初期症状が見逃されがちです。以下の兆候に注意を払いましょう。
- 頭痛: 強い頭痛がする場合は、早めに休憩を取ることが重要です。
- めまい・ふらつき: 水中でのバランス感覚が鈍ることがあるため、特に注意が必要です。
- 筋肉のけいれん: 特に、足や手の筋肉が痙攣を起こす場合があります。
- 吐き気・嘔吐: 水中での体温上昇が原因で、消化器官に負担がかかることがあります。
- 体のほてりと汗の減少: 体が異常に熱く感じたり、汗をかかなくなったりする場合、これは緊急のサインです。
熱中症の予防策
1. こまめな水分補給
プールに入る前、中、後のどのタイミングでも、定期的に水分を摂取することが必要です。特にスポーツドリンクなど、電解質を含んだ飲料を摂取することで、汗で失われるミネラルを補給することができます。
2. 日陰や休憩をとる
長時間プールにいる場合でも、定期的に水から上がって日陰で休憩を取ることが重要です。プールサイドに十分な日陰を設け、休憩できるスペースを確保しましょう。
3. 適切な服装
水泳キャップやサングラスを着用することで、直射日光から頭部や目を保護することができます。水着の選び方も重要で、UVカット機能があるタイプを選びましょう。
4. 適切なプールの温度管理
プールの水温が高すぎる場合、体の温度調節が難しくなります。適切な水温でプールを維持し、特に小さな子供や高齢者が利用する場合には温度管理を徹底することが大切です。
5. 監視員の配置と役割
監視員は、プール内の安全だけでなく、利用者の体調にも注意を払う必要があります。熱中症の初期症状を見逃さないよう、定期的に利用者をチェックし、異常があれば即座に対応できる体制を整えましょう。
まとめ
プールでの楽しい時間を安全に過ごすためには、熱中症のリスクをしっかりと認識し、適切な対策を講じることが不可欠です。水中にいるからといって油断せず、予防策をしっかり守ることが重要です。
体調が優れないと感じたら、無理をせずすぐにプールから上がり、適切な対処を行うことを心がけてください。皆さんが安心してプールを楽しむために、一緒に安全管理を徹底しましょう。