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日本トレーナー界のパイオニア 岩﨑由純さんが実践した信頼関係の築き方と、次世代のトレーナーのトレーナーに伝えたいこと

日本トレーナー界のパイオニアとして約40年間スポーツ現場の第一線で活躍されてきた岩﨑由純さん。そんな岩﨑さんのインタビューを実施しました。
第3弾は「アスリートやクライアントとの信頼関係」や「次世代のトレーナーに伝えたいこと」を伺いました。

第1弾はこちら
「日本トレーナー界のパイオニア 岩﨑由純さん がスポーツトレーナーとして備えてきたこととは?」

第2弾はこちら
「日本トレーナー界のパイオニア 岩﨑由純さんが乗り越えてきた困難なこと」

トレーナーにとって大切なのは「気配り・目配り・気働き」

――アスリートと信頼関係を築く上で、岩﨑さんが大切にしてきたことはありますか?

1人1人の個性を重んじて平等に感じてもらえるように接することを大切にしてきました。
ただ、物凄く苦労しましたね。やはり、人によって価値観や考え方、受け止め方などが様々なので、同じように接しているつもりでも、そのように受け取らない人もいます。目配り・気配り・気働きができていなければ、心理学用語で言う「ラポール(信頼関係)」の構築はできなかったなと思っていました。それでも僕自身、失敗したなあと思うこともありましたね。

ラポール(信頼関係)を構築する上で大切なことの中には様々な要素があります。会った時に挨拶をするとか、相手に対して敬意を示すとか、僕はアスリートを支えるトレーナーなので、アスリートの方が立場が上だと思いながら、相手に対して敬意を常に持って接していました。それ以外にも、人として当たり前の倫理や道徳などをしっかりすることによって、信頼関係の構築に努めました。嫌われてしまったら、難しい状況になることは間違いないので、、、そこは大事にしていました。

――アスリートと信頼関係を築くのは、一朝一夕にはできませんね。

その通りです。少しづつ構築していくこともトレーナーとして大切なことですね。

他チームであっても「人として、トレーナーとして当たり前のことをする」

――岩﨑さんは所属チームはもちろんのこと、他チームの選手であってもサポートをしていたという話しを聞きました。

これは、トレーナーの倫理規定というものがありまして、トレーナーの為の教科書内に様々な項目がある中に、ゲームがストップするほどの大きな怪我が起きた時には、敵味方関係なく対処する、あるいは、相手チームにトレーナーさんがいればそのトレーナーさんに「何かお手伝いできることはありますか?」と声をかけてアシストするようにしています。私はこのことをとても大事だと考えていて、所謂、アスレティックトレーナーとしてのあるべき姿だと思っています。なので、そのようなときがあれば敵味方関係なく動きますね。

――どなたからそのようなことは教わったのですか?

僕はアメリカにいたときに学びました。そしてその教科書の日本語版の監修・翻訳を私がしました!(笑)
(新版 トレーナーズ・バイブル(出版社: 医道の日本社、William E. Prentice(著)、Daniel D. Arnheim(著)、岩﨑 由純(監訳) )

次世代のトレーナーに伝えたいことは「サポーターに徹すること」

 

――そんな岩﨑さんがいま、次世代のトレーナーの方に対して伝えたいことはありますか?

トレーナーとは、アスリート・クライアントさんあってこそのお仕事です。
もし、皆さんがトレーナーになるのであれば、トレーナーでいる限り、アスリート・クライアントの為に働くことに尽くすことが大切です。「For the Athlete」と、ぼくは言っています。トレーナーでいる限り、アスリートやクライアント等、あなたの助けを必要としている皆さんが主役。そして、あなたはその人のサポートをして支えていく。夢の実現を支える仕事かもしれないし、目標の達成を支えるお仕事かもしれません。トレーナーが表に立って主役になることは、実はありません。いわゆる、周りのサポート役の1人。ただ、専門の知識や技術をもつ特殊な、ひょっとすると一番頼りになる存在にいて差し上げることが大切だとおもいますね。

ですから、もしも皆さんが主役になりたいのであれば、もう一度アスリートになることをお勧めします。(笑)

(※画像は過去のイベントで撮影した素材です。)

プロフィール

岩﨑 由純(いわさき よしずみ)

NECレッドロケッツ現コンディショニングアドバイザー。アスレティックトレーナーとして、数々のスポーツ現場で活躍。1992年バルセロナオリンピックではバレーボール選手のサポートを行う。

アメリカ留学中に、ペップトークの迫力・想い・魅力を体感し、現在では、スポーツ・教育・ビジネスの世界に普及するため全国で講演会を実施中。

・日本コアコンディショニング協会 会長​
・トレーナーズスクエア株式会社 代表取締役社長​
・日本ペップトーク普及協会 代表理事​
・日本オリンピック委員会 強化スタッフ​
・日本アスレティック・トレーナーズ機構 前副会長​
・NSCAジャパン 元理事​​

資格・経歴

・全米アスレティックトレーナーズ協会 公認アスレティックトレーナー​
・日本体育協会公認アスレティックトレーナー​​

・スポーツ・フェスティバル(コロラド・スプリングス)(1983年)​
・ロサンゼルスオリンピック(メーカー派遣)(1984年)​
・オリンピック・センター(コロラド・スプリングス)(1984 – 1985年)​
・フィラデルフィア・イーグルス夏合宿参加(1985年夏)​
・NECバレーボール部 アスレティック・トレーナー(1986年 – )​
・全日本ジュニア・バレーボールチーム帯同トレーナー(1989 – 1990年)​
・バルセロナオリンピックバレーボール全日本女子帯同トレーナー(1991 – 1992年)

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